派遣先管理台帳とは?作成方法・保存期間や派遣元管理台帳との違いを解説
派遣先管理台帳とは、派遣労働者を受け入れる企業(派遣先企業)が、その労働者や契約内容に基づいて作成する書類です。
ただし、派遣先企業の実態として「派遣元と派遣先のどちらが作成するのかわからない」「記載内容や保管期間が曖昧なまま」といったケースがあります。
また、「派遣元(派遣会社)」にも自社の「派遣元管理台帳」の作成・保存義務があり、派遣先からの通知内容と照合されます。この2つの書類についても混同されがちですが、それぞれ作成義務者が決まっており、違いを理解しておく必要があるでしょう。
そこで本記事では、派遣先管理台帳の記載項目・保存期間・通知方法や、派遣元管理台帳との違いについてお伝えします。
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派遣先管理台帳とは?

派遣先管理台帳とは、派遣先企業が派遣労働者の労働日・労働時間など就業実態を記録するために作成する書類です。労働者派遣法第42条により、派遣労働者を受け入れる派遣先企業には、この台帳の作成・保管・通知が義務付けられています。
また、派遣先管理台帳は派遣労働者1人ごとに作成する必要があり、就業状況を適切に把握・記録することで、派遣労働者の労働条件を守る役割を担っています。
労務局による調査が入った際にも確認される書類なので、法律に基づき正しく作成しなければいけません。違反した場合は罰則の対象となるため、まずは内容を理解しておくことが重要です。労働者派遣法の改正に伴って、記載項目の追加・変更などもあるため、常に最新の情報を把握しておくことも大切です。
派遣元管理台帳との違い

「派遣管理台帳」には「派遣先管理台帳」と「派遣元管理台帳」の2種類があります。
混同しやすいため、それぞれの違いを確認しておきましょう。
| 派遣先管理台帳 | 派遣元管理台帳 | |
|---|---|---|
| 法令 | 労働者派遣法第42条 | 労働者派遣法第37条 |
| 作成義務者 | 派遣先企業 | 派遣会社(派遣元企業) |
| 目的 | 派遣労働者の就業実態の把握・記録 | 派遣労働者の雇用管理 |
| 保存期間 | 各派遣期間終了日から3年 | 各派遣期間終了日から3年 |
どちらも派遣労働者1人ごとに作成する点は共通ですが、作成義務者が異なります。
派遣先管理台帳は「派遣労働者を受け入れる企業側」が、派遣元管理台帳は「派遣労働者を送り出す派遣会社側」が作成します。
両方の台帳で記載内容が重なる部分もありますが、それぞれ個別に作成・保管する必要があります。
どちらか一方で代用することはできません。
派遣先管理台帳の作成義務・保存期間

派遣先管理台帳には「作成」「保管」「通知」の3つの義務があります。
| 3つの義務 | 詳細 |
|---|---|
| 作成 | 原則として派遣労働者1人ごとに派遣先管理台帳を作成する義務。 (派遣先企業の社員数・派遣労働者数の合計が5人以下の場合は、作成義務が免除) |
| 通知 | 記載事項の一部を1ヶ月に1回以上、派遣元へ通知する義務。 |
| 保管 | 各派遣期間の終了日から3年間保管する義務。 (契約更新された場合は新たな契約期間ごとに派遣先管理台帳の作成が必要で、各派遣期間の終了日がそれぞれの保存期限の起算日になる) |
それぞれの詳細をお伝えしますので、確認してみてください。
作成義務・違反について
派遣先企業が派遣労働者を受け入れる際には、原則として派遣労働者1人ごとに派遣先管理台帳を作成することが義務付けられています。
ただし、派遣先企業の社員数・派遣労働者数の合計が5人以下の場合は、作成義務が免除される例外があります。
とはいえ、あくまで義務ではないだけであり、労務管理の観点から作成しておくことが望ましいです。
また、例外を除き、正当な理由なく作成を怠った場合は、労働者派遣法に基づき30万円以下の罰金が科される可能性があります。
厚生労働省や労働局による調査・監査の際には提示が求められる書類でもあるため、義務がある場合はかならず作成・保管するようにしましょう。
通知方法について
派遣先管理台帳の記載事項の一部は、1ヶ月に1回以上、派遣元へ通知する義務があります。
通知が必要な記載事項は下記の通りです。
- 派遣労働者の氏名
- 派遣就業した日
- 就業状況(始業・終業時刻および休憩時間)
- 派遣業務の種類・内容
- 就業した事業所の名称・所在地・就業場所・組織単位
- 業務に伴う責任の程度
詳細やその他の記載項目については、「派遣先管理台帳の記載項目一覧」で後述していますので、ぜひチェックしてみてください。
これらはたった1日の派遣業務でも通知が必要な項目です。
通知方法は、書面・FAX・電子メールいずれも認められており、どの方法を用いるかは特に定められていませんが、通知の記録を残しておくことが大切です。
通知のタイミングや方法については、あらかじめ両社で取り決めておくと、月次の運用がスムーズになります。
保存期間について
派遣先管理台帳の保存期間は、各派遣期間の終了日から3年間です。
注意が必要なのは、契約が更新された場合の取り扱いです。
契約更新された場合は新たな契約期間ごとに派遣先管理台帳の作成が必要となり、各派遣期間の終了日がそれぞれの保存期限の起算日になります。
保存期間中は、いつでも閲覧できる状態で管理することが求められます。
電子データ(PDF・Excel等)での保管も認められていますが、必要に応じてすぐに提出できる状態を維持しておくことが重要です。
派遣先管理台帳の記載項目一覧
派遣先管理台帳に記載する項目については、下記の通りです。
| 記載項目 | 内容 | 派遣会社(派遣元)への通知義務 |
|---|---|---|
| ①派遣労働者の氏名 | 派遣された労働者の氏名 | ◯ |
| ②派遣元事業主の氏名又は名称 | 個人は氏名、法人は名称 | - |
| ③派遣元事業主の事業所の名称 | 派遣元の事業所名 | - |
| ④派遣元事業主の事業所の所在地 | 連絡が取れる程度の所在地 | - |
| ⑤協定対象派遣労働者か否かの別 | 労使協定方式の対象かどうかの別 | - |
| ⑥無期雇用か有期雇用かの別 | 雇用形態の別 | - |
| ⑦派遣就業をした日 | 実際に就業した日の実績 | ◯ |
| ⑧就業日ごとの始業・終業時刻、休憩時間 | 実際の始業・終業・休憩の実績 | ◯ |
| ⑨従事した業務の種類 | 可能な限り詳細に記載 | ◯ |
| ⑩業務に伴う責任の程度 | 付与されている権限の範囲・程度(役職名など) | ◯ |
| ⑪派遣就業をした事業所の名称・所在地、就業場所、組織単位 | 実際に就業した場所と所属組織 | ◯ |
| ⑫苦情の処理に関する事項 | 申出を受けた年月日・内容・処理状況(都度記載し、内容は派遣元へ都度通知) | - |
| ⑬紹介予定派遣に関する事項 | 紹介予定派遣の場合のみ(その旨・採否結果・不採用理由など) | - |
| ⑭教育訓練を行った日時及び内容 | 派遣先が実施したOJT・off-JT | - |
| ⑮派遣先責任者・派遣元責任者に関する事項 | 双方の責任者の氏名など | - |
| ⑯期間制限を受けない業務等に関する事項 | 60歳以上か否か、有期プロジェクト・日数限定業務・産育休/介護休代替の該当など | - |
| ⑰健康保険・厚生年金保険・雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無 | 「無」の場合は具体的な理由も記載 | - |
※表内「◯」がある項目は、月に1回以上、派遣元へ通知する必要あり
派遣管理台帳に関するよくある質問

最後に派遣先管理台帳に関するよくある質問について回答します。
派遣先管理台帳はどちらが作成する?
原則として、派遣先管理台帳は、派遣先企業に作成する義務があります。
ただし、実務上は派遣元企業がフォーマットを提供したり、作成をサポートするケースも少なくありません。
いずれにしても、円滑な運用のためには派遣元・派遣先が連携して進めることが重要です。
派遣元管理台帳の必須項目は?
派遣元管理台帳は、派遣会社(派遣元)が労働者派遣法第37条に基づき作成する書類で、21項目の記載が必要です。
主な記載項目としては、同様に氏名・派遣先事業主の名称・就業期間・始業終業時刻・従事した業務の種類などが挙げられます。
ただし、「キャリア・コンサルティングの日時及び内容」「雇用安定措置の内容」など一部異なる記載項目もあるので、事前に確認しておくようにしましょう。
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本記事では、派遣先管理台帳の概要や注意点、派遣元管理台帳との違いなどについて解説しました。
主なポイントをまとめると以下の通りです。
- 作成義務者は派遣先企業(5人以下の事業所は免除例外あり)
- 保存期間は各派遣期間の終了日から3年(更新のたびに新たな台帳が必要)
- 記載事項の一部は月1回以上、派遣元へ通知する義務がある
- 記載漏れ・保管義務違反は30万円以下の罰金の対象
繰り返しですが、派遣先管理台帳は、労働者派遣法第42条に基づき派遣先企業が作成・保管・通知の義務を負う書類です。
ただし、実態としては、派遣会社(派遣元企業)がこの作成をサポートするケースも少なくありません。
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